お子さんが少年野球チームに入団して初めての試合。
子供の応援をしていると、きっとこう言われるでしょう。
「次の試合、塁審お願いします。人数足りなくて・・・。」
「アウト/セーフの判定だけで大丈夫だから!」
実際にやってみると、タイミングが際どくてアウトかセーフか分からない。
ベースを踏んだか見えなかった。
など、難しい場合があります。
今回は、そんなときでも慌てずに済むように、塁審をやるときの注意点を書いていきたいと思います。
試合開始前にやっておくこと
服装の確認
正式には、審判員は服装も決まっています。
プロ野球中継などでみる審判の服装です。
ただ、保護者が頼まれるような場合、そこまでしっかりとした服装は必要ありません。
ジャージと運動靴を身に付けていれば問題ありません。
色も特に決まっていないことが多いですが、子供たちのプレーの邪魔にならないように、地味めな色がよいでしょう。
NGな服装は、「半ズボン」「サンダル履き」です。
特に暑い時期の試合では涼しい服装をしたくなりますが、半ズボンとサンダルはやめましょう。
審判員ミーティング
試合開始前には、球審や他の塁審とミーティングをしておきましょう。
ミーティングでは、ローカルルールやローテーションの確認をします。
ローカルルールとは、その球場や大会ごとに決まっているルールのことです。
ボールが茂みに入ったら1つ進塁とか、選手交代の制限なし など。
ローテーションとは、外野への飛球を一人の塁審が追いかけた場合、その塁を埋めるために他の審判がカバーする動きのことです。
ただ、複雑でちょっと難しいので、初めての場合はあまり気にせずに、自分の塁をしっかり見ておくようにしましょう。
試合開始時の挨拶
試合開始時には、整列して両チームとの挨拶があります。
間違えやすいのが並び順です。
球審を真ん中として、右隣りが2塁審になります。
球審の左隣りが3塁審で、2塁審の右隣りが1塁審となります。
ベース側に立つというように覚えましょう。
整列のときにさらっと並べると素人感を出さずに済みますよ!
ジャッジの仕方
大きな声でジャッジする
審判をするときに大切なことは、自信を持って大きな声でジャッジすることです。
ジェスチャーも大きくメリハリをつけて大げさなくらいがよいでしょう。
自信なさそうなジャッジは、際どいプレーのときに疑われてしまうからです。
大きな声ではっきりと判定していると、見ている側も分かりやすく、信頼してもらえます。
それによってさらに自信を持てるので、落ち着いて判定できて、またさらに自信が持てます。
「初めてやるのに自信持って判定できるか不安」と思うかもしれません。
そのような場合は、動画を見ればイメージしやすくなるかもしれません。
私も最初は不安で、ユーチューブ動画を何度も見てから塁審をやりましたが、思ったより緊張せずに何とかこなせました。
落ち着いて大きな声で判定するようにしましょう。
アウトのコールは一呼吸おいてから
ジャッジのコツは、「アウト」のコールは一呼吸おいてからするということです。
セーフの場合はすぐに判定してしまっても問題ありませんが、アウトの場合は判定が変わる可能性があるからです。
例えば、1塁の判定で、タイミングはアウトでも野手がボールを落としたり、ベースから足が離れるとセーフになります。
特に少年野球では、まだボールの扱いに慣れていない子供も多いので、ボールを落としてしまうことも多いです。
なので、判定は落ち着いてしっかり確認してから行うとよいでしょう。
塁審ごとの特徴
初めてやるのは3塁審がおすすめ
3塁審は他の塁と比べて判定する機会が少ないので、初めての方におすすめです。
立ち位置は、3塁ベースの後方へ3~4m離れたファウルゾーン側になります。
3塁ランナーがいる場合は、1mほどベースへ近づきます。
この時のポイントとしては、ランナーとピッチャーが同時に見られる位置にすることです。
牽制球がきたときに判定できるようにするためです。
3塁は得点に一番近い位置となりますので、落ち着いてしっかりとジャッジできるようにしましょう。
1塁審の特徴
1塁審はバッターランナーの判定をほぼ毎回するので、少し忙しいです。
立ち位置は、1塁ベースの後方へ3~4m離れたファウルゾーン側になります。
1塁ランナーがいる場合は、1mほどベースへ近づきます。
この時のポイントとしては、ランナーとピッチャーが同時に見られる位置にすることです。
牽制球がきたときに判定できるようにするためです。
1塁は盗塁するケースが多いので、牽制球はよく投げられます。
内野ゴロでのバッターランナーの判定は、立ち位置が重要になります。
捕球して1塁へ送球するときに、直角に見られる位置にいると判定がしやすいです。
ゴロが転がった場所によっては、フェアゾーン側へ移動します。
忘れてはいけないのが、「ライトゴロ」です。
少年野球ではライトへ打球が転がっても、1塁でアウトになることがありますので、注意してジャッジしましょう。
2塁審の特徴
2塁審はランナーの有無によって立ち位置が大きく変わるので、少し難しいです。
1塁、2塁、1・2塁にランナーがいる場合は、内野ダイヤモンド(ベースをつなぐ線を引いた時の四角)の内側へ立ちます。
2塁から内側に2mほどで、ホームベースと2塁を結ぶ線から1塁側へ1mほどずれます。
1塁ランナーが盗塁したときや、2塁の牽制球で見やすくするためです。
前を向いていますので、2塁への送球に合わせて後ろを向いて判定することになります。
2塁審は難易度が高めですので、何度か塁審をやって慣れてきてからの方がよいと思います。
覚えておくべきルール
タッチプレーとフォースプレー
塁審をやる前にチェックしておくルールに、タッチプレーとフォースプレーがあります。
試合中も次のプレーを予測して、準備しておくようにしましょう。
タッチプレーとは、ボールを持った野手がランナーにタッチすることでアウトになることです。
フォースプレーはボールを持った野手がベースを踏むか、タッチすればアウトになることです。
よく見る、内野ゴロを1塁に投げて、ランナーがベースを踏む前に1塁野手がベースを踏んだ状態でボールをキャッチするとアウトになるのは、フォースプレーの1例です。
ゲッツーと呼ばれるプレーもフォースプレーになります。
1塁ランナーが2塁に到達する前に野手が2塁を踏んでいるのでアウトになります。
テレビの野球中継などでプレーごとに意識してみましょう。
タッチアップがむずかしい
塁審をしていると、忘れてはいけないのが「タッチアップ」です。
0アウトまたは1アウトで、バッターがフライを打ち上げたときに、ランナーは野手がボールに触れる前にベースを離れてはいけません。
塁審はフライが打ち上げられたときは、野手のキャッチとランナーを同時に見られる位置に移動します。
バッターが打つ前に次のプレーの予測をしておくのがよいです。
打ってから考えていると間に合いません。
実際に私が塁審をやった時には、タッチアップのことを忘れていて、ランナーを見ていませんでした。
キャッチばかり見てしまい、ランナーがいつ塁を離れたのかが分かりませんでした。
このときは、その場の雰囲気で判定してしまいましたが、タイムを取って他の審判と協議してもよいです。
参考になる本
私が参考にしている本は、こちらです。
初心者向けにわかりやすく書かれており、審判経験がなくても理解できました。
ジェスチャーの仕方、判断のしやすい立ち位置など写真や図解付きで説明されています。
審判をやる前の準備として、一読されてみてはいかがでしょうか。
必要なものはインジケーターのみ
塁審に必要なものは、「インジケーター」です。
カチカチやってカウントを記録しておくアイテムです。
ひとまずこれさえあれば塁審ができます。
いろいろなメーカーから発売されていますが、私が使用しているのは、「エバニュー」製のインジケーターです。
他のメーカーのものと違ってアルミ製なのがポイントです。
一般的にインジケーターはプラスチック製が多く、割れたりして壊れることが多いです。
エバニューのものはアルミ製、つまり金属なので壊れにくいです。
また、金属製の質感が持っていて心地よいです。
実際に使ってみて、プラスチックのものよりも使いやすいと感じます。
まだインジケーターを持っていないならおすすめです。
まとめ
塁審はよく頼まれるお手伝いになります。
ポイントさえ押さえれば問題なくできると思いますので、ぜひ一度やってみてください。
自信を持ってジャッジすれば何とかなります。
子供たちを間近で見られるのでとても楽しいですよ!
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